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  翼を広げると2メートルを超える大型の海鳥であるアホウドリ類。例年小笠原諸島の聟島(むこじま)では北半
 球に生息する3種のアホウドリ類のうち、"クロアシアホウドリ"、"コアホウドリ"が繁殖を行います。
  かつては3種の中で最大種である"アホウドリ(Short-tailed Albatross)"もこの聟島列島で繁殖をしていました
 が1900~1930年頃に掛けての羽毛採取の為の乱獲により姿を消してしまいました。 現在このアホウドリの繁
 殖地として確認されているのは伊豆諸島・鳥島と尖閣諸島ですが、火山活動や天然資源をめぐる領土問題な
 など、そこで繁殖するアホウドリ類を取り巻く環境は楽観できるものではありません。 そんな中2008年からアホ
 ウドリの第3の繁殖地の再生を、と言うことで始まったのが聟島への伊豆鳥島からのヒナの移送と人工飼育プロ
 ジェクト。今回のツアーでは、クロアシアホウドリやコアホウドリの観察は勿論、この世界初の試みであるアホウ
 ドリ繁殖地再導入プロジェクトについてもより知っていただくために、現地聟島へも上陸し、飼育に当たっている
 スタッフの方にもプロジェクトについての解説をしていただきました。
  今年はプロジェクトの始まった2008年に人工飼育を経て聟島を巣立った10羽の内6羽が、翌2009年に巣立っ
 た1羽が帰還した記念すべき年。今回のツアーでも、2008年に巣立ったと思われるアホウドリの亜成鳥を見る事
 ができました。小笠原諸島で命を繋ぐアホウドリ類の美しい姿と、そして彼等の島と人間との関わりを知るツアー。
 アホウドリたちの過去、現在、そして未来を感じていただくのが、小笠原ツーリストの”アホウドリ類観察ツアー”です。
 今回初めて行ったこのツアー内容をご紹介します。

 ①まずは聟島(むこじま)へ
  アホウドリ類観察ツアーでは、小笠原諸島で繁殖するアホウドリ
 類が見られる聟島(むこじま)列島へ向かいます。
  聟島列島は、父島からおよそ50~70㌔に位置する島々です。
 聟島を始め、嫁島(よめじま)や媒島(なこうどじま)などユニークな
 名前が付く島々では、この時期のアホウドリ類を始め多くの海鳥た
 ちが繁殖を行います。
  父島列島最北端の孫島を過ぎるとしばらくは茫洋とした外洋域を
 走ることになりますが、そこではクロアシアホウドリなどのアホウ
 ドリ類の他、オナガミズナギドリ等の他の海鳥や、この時期アホウ
 ドリ類と同じように小笠原へ繁殖のために回遊してきているザトウ
 クジラたちにも出会える可能性が大です。
  聟島列島の聟島(ケータ島)までは、父島から約2時間半のクルー
 ズで聟島周辺では飼育サイトや鳥島でアホウドリ類を船上から観察
 する事になります。
 ②聟島周辺で見られたアホウドリ類
  北半球で見ることの出来るアホウドリ類は全部で3種類。小笠原
 はその3種全てを見ることが出来る可能性があります。今回のツア
 ーでもクロアシアホウドリ、コアホウドリ、そしてアホウドリの3
 種全てを見ることが出来ました。
  繁殖地の再導入プロジェクトにより人工飼育を受け2008年、
 個体らしいアホウドリの姿も確認でき、未来への希望を感じさせる
 ツアーとなりました。
 聟島列島で最もよく見られるアホウドリ  クロアシアホウドリとは対照的な純白の  かつては聟島列島でも繁殖。羽毛採取の
の仲間。ほぼ全身黒褐色。父島周辺でのホ 羽毛に覆われるアホウドリの仲間。目の周 為の乱獲により数が激減し一度は絶滅宣言
エールウォッチングの際にも周辺を飛んで りのアイシャドウが特徴的。日本では小笠 も出された。聟島では2008年から繁殖地の
いるのを見かけることがある。 原諸島でのみ繁殖が確認されている。 再導入計画が始まり2011年、初年度と翌20
体長約70cm、翼開長約210cm、体重約4㎏ 体長約80cm、翼開長約200cm、体重約3㎏ 09年に聟島を巣立った亜成鳥が再び聟島に
帰ってきたことが確認され、今後の繁殖地
再形成に期待が持たれている。
体長約90cm、翼開長約240cm、体重約7㎏
 人工飼育により繁殖地の再形成が期待されるアホウドリの亜成鳥を始め、北半球で見ら
 れる3種のアホウドリ類全てが今回のツアーでは見られました。
 ③ツアー行程表 & ツアーの様子
日程 時間 ツアー行程予定表 昼食
4/2
7:45
8:00
9:40
10:10
10:40
11:40
12:20
13:45
15:10
15:15
18:00
 "青灯台"集合。
 受付後乗船開始
 御客様御集合確認後、青灯台出港。いざ聟島へ!
 1.利用ボート:ピンクドルフィン
 離岸後、船上での注意点等、設備などの説明。
 2.船上でのミニレクチャー
  *アホウドリ類観察
  *ザトウクジラウォッチング
  *オナガミズナギドリやカツオドリなどの姿も。
 3.聟島列島最南端・嫁島沖通過
  媒島(なこうどじま)沖通過
 4.聟島アホウドリ飼育サイト沖合到着・
  ・繁殖地再導入プロジェクトの概要の解説
  ・アホウドリ類観察・写真撮影 など
 5.聟島小花(おばな)湾到着.
  休憩・昼食・鳥島周辺でのアホウドリ類観察
 6.南浜上陸(小型のボートに乗り換えて)
 7.南浜上陸前に衣服や靴の裏の植物の種子等除去
 8.アホウドリチームのキャンプサイト付近にて.
  アホウドリの聟島への繁殖地再導入プロジェクト
  に関わるスタッフに調査・作業の様子、将来への
  展望などについて解説してもらいました。
 9.キャンプサイト内の案内も。
 10.聟島散策へ
  聟島最高峰の大山(88m)を目指します。
 11.南浜到着・ピンクドルフィン乗船
 出船 鳥島でもう一度アホウドリ類を見た後父島へ。
 針之岩→媒島→嫁島を経由し一路父島へ。
 12.途中サンセットクルーズ。父島沖では夕暮れのザ
 トウクジラにも出会いました。
 二見港帰港・解散。
各自
利用ボートはトイレ・キャビン完備の
グラスボート"ピンクドルフィン"。喫水
が浅いため、海岸の波打ち際まで近付く
事が出来ます。
父島→聟島航路でのミニレクチャー。
アホウドリ類の生態や、人間との関わり
歴史、これから行く聟島についての情報
などを分かりやすく解説します。
*アホウドリ類の観察は全て船上(洋上)からとなります。
アホウドリの人工飼育サイト沖合 聟島の属島である鳥島では、クロ
までくるとアホウドリ類の飛翔姿も多 アシアホウドリやコアホウドリが多く 父島を出港して約1時間半。聟島列島
くなります。またアホウドリ誘因の為 繁殖しています。求愛行動を取るカッ の島々が近付きます。写真は聟島列島最
にセットされた音声装置からは、伊豆 プルや今年生まれのヒナ鳥の姿も見ら 南端・嫁島(よめじま)です。
鳥島で録音されたアホウドリ達の声が れました。
聞こえてきます。またデコイ(実物大 聟島列島はアホウドリ類の楽園です。 聟島上陸ポイント・南浜(みなみはま)
の模型)も設置されいるのが分かりま  鳥たちの写真撮影をする方はこの鳥 かつてはこの周辺にも集落があった場所。
将来、本物のアホウドリの声や多くの 島と飼育サイト沖合が撮影ポイントで アホウドリ人工飼育チームのキャンプも
降り立つ姿が見られますように!! す。 この浜のすぐ近くにあります。
小笠原諸島で聟島のような属島に 聟島キャンプサイトでの、飼育ス また、他の飼育スタッフからはキ
上陸する際には必ず行わなくてはいけ タッフによる解説。このプロジェクト ャンプの様子を教えてもらいました。
ない作業があります。"外来種の防除" を主導している山階鳥類研究所の出口 水道もトイレもお風呂もない・・・
です。衣服や靴の裏に付着しているか さんが、世界初となるこのプロジェク そんなキャンプ地での日常を垣間見る
も知れない植物の種子や生物を持ち込 が行われるきっかけやその内容を詳し 事が出来ました。飼育スタッフの皆様
まないよう十分に気を付けます。 く解説。皆興味津々でした。 ありがとうございました!!
10 無人島聟島散策。かつては牧畜や 11 聟島出発。段々と陽が西に傾いて 12 陽が傾き、父島に差し掛かる頃にはす
農業で生計を立てた人々が住み、戦時 きた聟島を、飼育スタッフに見送られ っかり海がオレンジ色に。アホウドリ達の
は日本軍の壕などが構えられていた聟 ながら出発。このあと、鳥島や媒島、 過去、現在そして未来を見つめるこのツア
島。ヤギの食害などによりかつての森 嫁島を経由して一路父島を目指します ーの最後を締めくくったのは美しい夕日で
は消え荒涼とした大地が広がる風景は スタッフの皆様、お仕事頑張って下さ した。
父島や母島とは趣が異なります。 いね!! 18:00 父島二見港到着・解散
2011年4月2日(土) 晴れ 東の風 気温:21℃ 
↓↓ アホウドリの事、アホウドリ人工飼
↓↓ 育についてもっと知りたい方へ。

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(財) 山階鳥類研究所

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